映画現場100ぺん

映画館で観た映画について語ります

ヘイトフルエイト-濃い顔の顔相撲を楽しむ一本

映画館という現場から映画を楽しみたいBelieveです。

 

本日は『ヘイトフルエイト』です。

賞金稼ぎのマーキス・ウォーレンはお尋ね者3人の凍った死体をたずさえて誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていました。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグがつながれています。ドメルグは1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、犯罪者らしくさんざん悪態をついています。マーキスは馬車に乗せてもらえることになるが、迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地であるうまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうこととなります。しかしミニーの店にはミニーはおらず、メキシカン、絞首刑執行人、老将軍、カウボーイが吹雪をしのいでいた。偶然集まった8人だが、言葉を交わしていく中で憎しみがうまれ、小屋の中の緊張は次第に高まっていく。『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』のクエンティン・タランティーノ監督が手掛ける密室ミステリー。種田陽平さんががプロダクション・デザインを手がけている点も注目ですね。

 

 

圧倒的な顔力のあるキャストがひしめく

とにかくキャストのキャラクターが濃いですね。中でもマーキスを演じるサミュエル・L・ジャクソン。賞金稼ぎの顔、黒人としての顔、大統領のペンフレンドの顔、軍人としての顔、そしてそこから生まれる人間関係。サミュエル・L・ジャクソンはどの顔をとっても圧倒的な度の顔でも説得力のある顔に見えてきます。この人は善人なのか、悪人なのか、物語が進むにつれもつれにもつれて、本性がどんどんわからなくなっていくのです。デイジー・ドメルグを演じるジェニファー・ジェイソン・リーも咀嚼しがたい噛みごたえのある役。デイジーはなんといってもその小汚さがですね。汚いゲスな女がこの話をかき回し続けます。

 

狭い密室空間のように見えますが、小屋の中はとにかく情報量が多い。かなり集中してみておかないと、後の展開に重要な要素を見逃す可能性ありです。というか二回目をみていろいろ確認したくなることが多い映画ですね。二度目をみるときっと新たな発見があると思われます。

 

タランティーノ監督のファンでも、賛否両論があるところですが、ラストにたどり着いた時にみる、不思議な安堵感とカタルシスに、個人的には満足度の高い一本になりました。

是非劇場で観てほしい作品ですね。

 

Believe